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陽射しの渋滞

陽射しの渋滞
“イライジャは目をぎゅっと閉じ、まぶたの裏を泳いでいる不定形の紫や黄色や緑色の斑点に意識を集中した(アダム・ファウアー「心理学的にありえない」、翻訳:矢口誠、2011年、文藝春秋)”

音が遠い日曜日だと僕は思う。日曜日ということを忘れてしまいそうになるくらい遠いところに音が存在する。
スピーカーから流れ出る音楽を止めると、僕が知らない未来へと続くはずの時間のきしみを感じ取れるくらいに静かなのです。

外へ出て、目を閉じ、空を仰いでため息をつくと、様々な光がそれぞれに異なった形を作り、残像を形成します。
陽射しは渋滞して、遮るモノが割り込んでくる間隔さえ残されていない空に、僕の存在はますます希薄になります。

* blog内、全て敬称略です。