傘を置き忘れないように何度か気にしながら、僕は移動しなければならない。
分厚い本のページをパラパラとめくって拾い読むように、2014年6月12日の天候という物語が終わりに近づく頃、見えたり、見えなくなったりする月が上空にあって、そんな日の傘はいろいろと気遣ってやらなきゃならない、ちょっと扱いにくい女のコみたいな存在だけれど、やはり雨が降り始めるとないと困るんだよな、って思う。
そして、傘の扱いはあまり得意じゃなかったんだよな、ってことに僕は気づくのです。
さよなら、2014年6月12日の天候という物語。