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雑文

逸脱

逸脱
“自然は客観的で多様性に富んでいる”

“標準だけに目を奪われると、標準を逸脱したところに存在する正常性を見逃してしまう。統計の歴史は誤解の歴史だ。統計は全体を一望するには役に立つが、多様性を否定し、わたしたちから世界を遠ざける”

2008年、早川書房から北川和代の翻訳で出版されたフランク・シェッツィング長編小説「深海のYrr」の下巻に、このような文章がある。

同じ風、同じ光、同じ影、同じ水の流れ、そして変わらない風景が存在しないことに気がつき、それに意味を持たせようと思い始めるのいつの頃だろう。

数量的データの収集方法と解析の偏り。
科学は進歩し、少なくとも僕はリアルな世界から遠ざかる。

「意味を持たせよう」という行為に本当は意味がないのかもしれない。

* blog内、全て敬称略です。