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ありふれた言葉

ありふれた言葉
合法的にどんな手段を使ってでも捜しだし、再び手に入れ、大切に留めておきたいと思ったところで、捕らえ続けることのできないモノがあって、そのようなことを忘れるために、僕は心を痛めることがある。

変わらないと思っていても、時間はあらゆるものに変化を与え続ける。
地球上では重力との戦いに勝利することはできたけれども、時間を征服することには至っていない。

フェンス越しに見える夕景は実体のある空のように僕には思える。決して、捕らえておくことはできないのだけれど。
僕が綴る言葉はフェンス越しの夕景にはるかに劣り、ほんの少し遠いところに転がっている言葉に似ていて、届かなくてはならないところに届きはしない。

僕は未だに彼女の存在を再確認したことはない。

時の流れがいつも哀しい。