「村上春樹の物語世界の時間・空間・レトリック」というのが大学での僕の卒業論文。
この論文のタイトルにまつわる話は2012年2月29日のblog「4年に1度の1日長い2月最後の日/2012年」に書いたので、興味があれば読んでいただきたい。
「序」と「結び」に挟まれて、
I. レトリック
1. 固有名詞
(a) 固有名詞の欠如
(b) 過剰な固有名詞
(c) 固有名詞が表現するもの
2. 対置法
II. 登場人物
1. 感性のベクトル
2. 受動性
3. ほどよい無関心
III. 小説に置ける制度
1. 登場人物という役
2. 制度
(a) 虚構
(b) 出口
という構成で「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」、「羊をめぐる冒険」の3部作を中心に分析したモノ。
村上春樹の小説がベストセラー・リストに登場するものの既成の文壇内部で評価が一般的に低かった頃の話だ。
カートリッジインク式のパーカーの万年筆で書いたのか、ボトルインクよりインクを吸い上げる吸入式の万年筆で書いたのかは覚えていないけれど、とにかく、万年筆を使った。
まあ、それだけのことなのだけれど、僕はこの卒業論文を時々、読み返す。
僕のblogの文体は村上春樹の初期3部作を研究した結果、出来上がったモノでもあるから。
* blog内、全て敬称略です。