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雑文

フェリクス・J・パルマ/時の地図

フェリクス・J・パルマ/時の地図

“それはそうかもしれないが、順序よく始められない物語もなかにはあり、たぶんこれもそのひとつなのだと思う”

2008年にスペインで刊行された「時の地図(翻訳:宮崎真紀、2010年、早川書房)」という小説の中で、作者のフェリクス・J・パルマは登場人物にそのように語らせる。

僕は毎日のblogの書き出しになにかと困るのだけれど(もちろん、それ以上に「タイトル」の困ることもあるのだけけれど)、筆致が稚拙なので、文章の美しさなどにあれこれこだわっていられない。
しかしながら、「書き出し」と書かれる内容の展開スピードはどんな読み物にも要求される必要事項であることには変わりないと思っている。

「もし、会話のきかっけに困ったら、天気の話をするのがいい」とどこかに書いてあったことを思い出す。

デートやその約束の電話が決まって「天候」から始まり、会話が途切れるごとに、天気の話をしている僕も過去にいたわけで、それが良くないとは言わない。

途中で休むこともなく、読み終えることができると思っていたフェリクス・J・パル作の「時の地図」は下巻の終盤に差しかかっても、草が伸び放題の空き地を進むように至る所で進行を妨げられた。

僕はこの小説を、そして日本語に翻訳されたことを歓迎する。
我慢するのは本を開いて、数ページ。そして、独特の日本語訳。

* blog内、全て敬称略です。