マッチ・コレクション/てらかど珈琲店 – 岡山・柳町

マッチ・コレクション/てらかど珈琲店 - 岡山・柳町 (1)
マッチ・コレクション/てらかど珈琲店 - 岡山・柳町 (2)

マッチ箱に印刷されている店舗のシンボルマークもイラストもこの”てらかど珈琲店”のために、イラスト関係の仕事に携わる誰かが描き下ろしたのではないでしょうか。

JR「岡山」駅から南、生命保険会社や損保会社のビルが並ぶ「市役所筋」を10分ほど歩くと左手に「朝日生命岡山柳町ビル」という12階建てのビルを見つけることができます。ビルの竣工は1987年10月31日。僕が調べ間違えていなければ、かつてこの1階に”てらかど珈琲店”があったということになります。
隣接して「山陽新聞社本社ビル」があります。

過去に作成した職務経歴書を探せばいつ頃のことかはっきりわかるのですが、おそらく2000年頃、僕はこの「朝日生命岡山柳町ビル」を仕事で訪れたことがあるのです。
残念ですが”てらかど珈琲店”があったかどうか僕は覚えていません。誰かの記憶の中に街の記憶とともに存在しているはずです。

マッチ・コレクション/RESTAURANT PALACE・WINE「TOVI」 (岡山)

マッチ・コレクション/RESTAURANT PALACE・WINE「TOVI」 (岡山) -1-
マッチ・コレクション/RESTAURANT PALACE・WINE「TOVI」 (岡山) -2-
マッチ・コレクション/RESTAURANT PALACE・WINE「TOVI」 (岡山) -3-

これはどうにか岡山にあったレストランであることがわかりますが、時々思うに、どこだっていいんじゃないのかな、そういうことより、そのマッチ箱に僕がどのように、どんなところに惹きつけられたのかをきっちりと書くべきなんじゃないかと。
なかなかむすかいいことなんですけれど、ね。

僕はいろんな物事に折り合いをつけるのに時間がかかるスロースターターである上、ひとつの作業を終えるのが遅いのです。
2021年になってやっと店舗の新しいロゴタイプができあがり、シンボルマークのプロトタイプのようなものを印刷してひとりで悩んで、グラフィック・ソフトウェアで仕上げつつあるところですが、それを専門にして仕事をしているわけではないし、それよりもスピードだよな、と思いつつ、この店のマッチ箱に印刷されているロゴタイプとたぶんロゴだと思えるオレンジ色の三角形を詳しく見ているのです。

店名は”TOVI”なのだと思います。フィンランド語で「時、時間、瞬間」という意味をもちますが、そんなこととは関係なくて、描かれているのが鳥ということから、大型の鳥である「トビ」と読ませるのかもしれません。あるいは両方の意味を含めた店名なのかもしれません。
文字や絵の配置から推測して、ロゴは別として、鳥のイラストはマッチデザイン見本帳にテンプレートとして載っていそうにも思います。
ロゴの向きは逆三角形が正しいとして、拡大すると(そうしないと、僕にははっきり見えない)、”T”と”O”と”V”と”I”を組み合わせたように見えます。
これがまた鳥のようにも見えるのです。そしてふたつの円で描かれた丸が時計のようにも見えてくるのです。

マッチは広告代理店を通さなくてもよい、個人でも商店でも発注できる手軽な広告媒体(ここでは費用対効果は考慮しない)だった時代はそう遠くない昔のことですが、マッチ箱のデザインは作り手が思うほど重要ではなかったのかもしれない、と思うことがあります。
広告とはそのようにして消費されていくものなのです。

マッチ・コレクション/厚生省指定 国民保養温泉地 岡山県足温泉「泉屋旅館」

マッチ・コレクション/厚生省指定 国民保養温泉地 岡山県足温泉「泉屋旅館」 (1)
マッチ・コレクション/厚生省指定 国民保養温泉地 岡山県足温泉「泉屋旅館」 (2)
マッチ・コレクション/厚生省指定 国民保養温泉地 岡山県足温泉「泉屋旅館」 (3)

日本の地名にはかなり疎い。日本史にはひどく知識がない。NHKの大河ドラマも観ない。

阿山県北部に真庭市に「足温泉」という温泉があって、「足」は「たる」と読む。稲垣足穂の「足」と同じ読みである。

織田信長の死後、側近として仕えた家臣が書き起こした信長の記録「信長公記(しんちょうこうき)」の中で、”元亀の年号不吉に候間”とある。
この「元亀(げんき)」という年号は1570年から1573年まで用いられた。

そんな時代、高田城主(どこの高田城のことだろうか?)であった山中鹿之助の妹婿で佐伯辰重なる人物が刀や矢で傷ついた武士を癒やすために、この温泉の湯を樽(たる)に詰めて送った(文献によっては佐伯辰重の刀傷を癒やすために高田城中に湯を運んだ。「汲湯」)ことから「足温泉」と名付けられたそうだ。

それから時を経て、1948(昭和23)年の「温泉法」に基づき国民保養温泉が選定された。
そんな背景がある「泉屋旅館」のマッチ箱である。
湯につかる二人の顔がおもしろいのだが、彼らが誰であるのか僕にはわからない。
急に寒くなったので、温泉でゆっくりとしたいところでもある。