
竣工記念に作られたマッチから丁寧にはがされたラベルです。
1955年、四日市の旧第2海軍燃料廠跡に昭和石油の製油所建設が決定されます。
1957年11月に昭和石油、シェルグループ、三菱グループの資本参加を経て「昭和四日市石油株式会社」が設立され、1958年5月に”昭和四日市石油 四日市製油所”が竣工したそうです。
第2次世界大戦後の高度経済成長期とともに発展してきた製油所です。
“道明寺 古市”、”駒ケ谷 上ノ太子”、”二上山 神社口”
“旭ケ岡 学校前”、”滝谷浮動 汐ノ宮長野”
“山の料理 かしわのすきやき 七銭 松茸飯(吸物付) 三十銭”
東日本にお住まいの方は馴染みがないかもしれない「かしわ」。鶏肉のことです。僕は「かしわ」という言葉と一緒の育ってきましたが、最近はめっきり使わなくなりました。
さて、現在の近畿日本鉄道近鉄(近鉄)は第2次世界大戦中に「大阪電気軌道(大軌)」「関西急行電鉄(関急)」「大阪鉄道(大鉄)」と奈良、三重の鉄道会社が統合されてできた会社です。
本日火曜日、10月4日。マッチラベルの上では山開き。
そんなわけで、「松茸狩」の古いマッチラベルをここに残しておきます。もう松茸は食べましたか?
現在の大阪市北区に本社を置く「フジオフードグループ本社」が「フジセイ・コーポレーション」時代に関西圏で展開していたのが”Je t’aime Cafe(ジュテーム・カフェ)”。
公式サイトによると、1号店は大阪にオープンした「桜橋」店となります。1985(昭和60)年4月のことです。
その後、「南森町」、翌年の1986年から1989年にかけて「兵庫県・芦屋川」「江坂」「新神戸オリエンタルホテル」「阪急イングス」がオープンしています。
そんなわけで、1989年頃に”ジュテーム・カフェ”で手に入れることができたはずのブックマッチです。
1992年以降には「三重・名張」店、「大阪・心斎橋」店ができています。
「芦屋川」店を訪れたことがあったかもしれませんが、最も近かったはずの「新神戸オリエンタルホテル」店に行く機会はありませんでした。
その「新神戸オリエンタルホテル」も「クラウンプラザ神戸」を経て、現在は「ANAクラウンプラザホテル神戸」です。
“Je t’aime Cafe(ジュテーム・カフェ)”のブックマッチを2020年1月に撮影した「ANAクラウンプラザホテル神戸」の写真とともにここに残しておきます。
三重県志摩市の「志摩スペイン村」内にあるテーマパーク「パルケエスパーニャ(PARQUE ESPANA)」のブックマッチです。
紙軸の部分はもぎ取られてありませんが、軸は白かったことがわかります。頭薬は何色だったのでしょうね。
「パルケエスパーニャ」の開業は1994(平成6)年。
ブックマッチには「志摩スペイン村」のキャラクターの「Don Quixote(ドン・キホーテ)」と「Sancho Panza(サンチョ・パンサ)」、その下に小さく”SHIMA SPAIN VILLAGE CO.,LTD”と印刷されています。
2010年頃から神戸市内の小学校でも修学旅行先として「パルケエスパーニャ」があるんですね。僕は同じ三重県でも「伊勢」でした。
“賀正 山田駅前 若草堂”
三重県伊勢市本町で”若草堂”が創業した1954(昭和29)年、「伊勢市駅」はまだ「山田駅」でした。
現在のJR東海と近畿日本鉄道の「伊勢市駅」の前身となる駅でした。
1955年、合併により「宇治山田市」から「伊勢市」へ、更に2005(平成17)年11月にはいくつかの町村を合併して、新しい「伊勢市」が誕生しています。
僕はまだちょっと仲良くなれませんが、伊勢市には有名な「伊勢うどん」があります。
「若草堂」は経木のマッチ箱に貼ってあるラベルに”御会合 御商談には 暖かい スペシャル ルームで!!”とあるとおり、1階に土産物店、喫茶室と広い中庭や座敷、2階に家族室・広間という構造です。
2021年現在、2階が使われているかどうかは定かでありませんが、「昭和」、「平成」、「令和」という3つの時代の「伊勢市駅」前の移り変わりを見てきたお店です。
おそらく創業当時の年始には「若草堂」の食堂や喫茶室のテーブルや広間の灰皿の中に、このマッチが置いてあったのだと思います。
これからも末永く駅前の歴史を刻みつつ、愛され続けるお店であることをお祈り申し上げます。