マッチ・コレクション/喫茶・軽食「月光」 (兵庫県佐用郡)

マッチ・コレクション/喫茶・軽食「月光」 (兵庫県佐用郡)

兵庫県の南西部にある「佐用」という郡は「西播はりま天文台」や広大なひまわり畑で有名である。
2005年以降「佐用」町となってしまったが、かつては「三日月(みかづき)」、「上月(こうづき)」といった「月」と付く町があって、今でも小学校の校名にその名残を見つけることができる。

何年前になるだろうか。僕が親しくしていた女のコが結婚して佐用郡に引っ越していった。ショート・ヘアがとても格好良く似合う女のコだった。
彼女は僕に佐用という町がどんなところなにか手紙かメールで教えてくれた。
このマッチ箱はその女のコからもらったわけではない。
調べてみたが、今はもう”喫茶・軽食「月光」(Tea Room & Gekko)”は存在しないようだ。
佐用で見る夜空はきっとこのマッチ箱に印刷されたような空なのだろう。

今夜の月がどのような形をしているのか、僕は確認をしなかった。窓から月は見えなかった。


マッチ・コレクション/渋谷円山「石川亭」 (東京・渋谷)

マッチ・コレクション/渋谷円山「石川亭」 (東京・渋谷)

東京・渋谷。僕が「ハチ公像」から西に道玄坂を上がっていったのは1986年かその翌年のことだからもうずいぶんと訪れていない場所になるが、しばらく歩くと「円山町」という場所にたどり着く。

その頃、まだ”石川亭”という洋食店があったのだと思うが、今はもうない。そして僕が”石川亭”を訪れたかどうかも思い出せない。
マッチ箱に用いられている”mitu”という小さなサインがある絵が不思議と僕の心をつかむ。
いろんな人に愛され、記憶に残る店であったようだ。
もう箱の形ではないが、たるみ燐寸博物館にたどり着いた多くのマッチ箱の中に見つけた。


マッチ・コレクション/「フランス野獣派の巨匠 ブラマンク展 1966」と「ブラマンク(著:里見勝蔵、日動画廊出版部)」

マッチ・コレクション/「フランス野獣派の巨匠 ブラマンク展 1966」と「ブラマンク(著:里見勝蔵、日動画廊出版部)」 -1-
マッチ・コレクション/「フランス野獣派の巨匠 ブラマンク展 1966」と「ブラマンク(著:里見勝蔵、日動画廊出版部)」 -2-
マッチ・コレクション/「フランス野獣派の巨匠 ブラマンク展 1966」と「ブラマンク(著:里見勝蔵、日動画廊出版部)」 -3-

モーリス・ド・ヴラマンクが好きな人ならこのマッチをもらったら(そしてマッチ棒を使い終わったら)箱は大切に保管するだろう。飾っていたかもしれない。
すべての作品というわけではないけれど僕もヴラマンク(Vlaminck)が描いた絵が好きだ。

さて、以下「ブラマンク」表記で進める。
「フランス野獣派の巨匠 ブラマンク展」は1966(昭和41)年に開催された。
会期と場所は「東京展」の10月1日から15日まで東京・銀座の「日動画廊」で、「大阪展」は10月29日から11月10日まで大阪の「新大ビル」だった。「大阪展」について探ってみるも、僕には資料を見つけることができなかったが、マッチ箱には「新大ビル」ある。1958年に堂島に完成した「新大阪ビルヂング」のことだろうか。
読売新聞社主催、フランス大使館後援。「大阪展」にはさらに大阪府教育委員会、大阪市教育委員会、そして読売テレビと日動画廊が加わる。

里見勝蔵(さとみかつぞう)は京都市生まれの洋画家で1921年から1925年までフランスに留学し、ブラマンクにフォービスムを学んだ。彼の著書「ブラマンク」が日動画廊出版部から出版されたのは1968年。当時の価格は720円だったということになる。
1966年の「ブラマンク展」からは未来の日付となるが、書籍の出版を告知する意味合いもあったのだろう。
5月13日は里見勝蔵の命日である。