






最寄り駅は阪急電鉄神戸高速線「花隈」駅になりますが、「是非、行ってみてください」とたるみ燐寸博物館に来館した方から渡されたマッチ箱を持って、僕は昨日の午後遅く、神戸市営地下鉄の「大倉山」駅から喫茶「セリナ(SERINA)」へ行ったのです。
喫茶「セリナ」は「神戸市中央区下山手通8丁目」にあります。「下山手通」は1995年の阪神淡路大震災で火災こそ発生しませんでしたが、多くの家屋が倒壊した地域でもあります。そして、神戸・垂水で長く暮らしているとこのあたりはもう「元町」ではなく「神戸」あるいは「花隈(なはくま)」なのです。
さて、喫茶「セリナ」を訪れ、ひとりであることを告げると店の一番奥のテーブル席へと案内されました。
フルーツジュースを注文して、訪れた理由を話ながら持って行ったマッチを見せると、レジからマッチ箱を2つ持ってきてくれたのですが、「もう既に」と僕は手元のマッチを指差しながら「ひとつ持っているので、訪れる他のお客さまに差し上げてください。このような時なので、訪れた記念にと欲しいとおっしゃるお客さまがいらっしゃると思います」とお断りしたのですが、「いえいえ、いいんです。差し上げますので、お持ちになってください」、そして帰り際にも「是非、マッチを持って帰ってください」と話されましたが、僕は僕の決めたルールに従って、もうこれ以上受け取ることをお断りしたのでした。
「この天井とそこから柱へ続く曲線が素敵でしょ?」とぽつりと話されました。「ええとても素敵です」と僕は言葉を返したのです。
喫茶「セリナ)」は入居しているマンションの取り壊しのため、2021年5月31日をもって閉業します。