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われわれはモノの時代に生きている。

われわれはモノの時代に生きている。

“われわれはモノの時代に生きている。つまり、モノのリズムに合わせて、モノの絶えざる連続に従って生きているのだ、今日、われわれはモノが生まれ完成して死滅する過程を目にしているが、これまでのいかなる文明の場合も、人間の世代の後に生き残ったのはモノの方であり、はるかに長い寿命をもつ道具や記念建造物の方であった(ジャン・ボードリヤール「消費社会の神話と構造」、翻訳: 今村仁司・塚原史、 1979年、紀伊國屋書店)”

日本においては、”はるかに長い寿命をもつ”はずの”記念建造物”は取り壊される傾向にあって、とても残念に思います。
つくるのも壊すのも簡単なのでしょう。維持していくほうが大変なのはわかります。

誰かにとって不便なモノは他の誰かにとってはいたって普通で、安心のできるモノであるのかもしれません。
「安全」のもつ意味は時代の中で変化しますが、「安全」は必要です。でも今なにが「安全」なのか僕にはわかりません。

そう思うのはたぶん僕が時代の変化についていけない年齢になったのでしょう。


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マッチ・コレクション/白馬高原・登山 スキー用品土産物一式「松屋百貨店」 – 長野・白馬

マッチ・コレクション/白馬高原・登山 スキー用品土産物一式「松屋百貨店」 - 長野・白馬 (1)
マッチ・コレクション/白馬高原・登山 スキー用品土産物一式「松屋百貨店」 - 長野・白馬 (2)
マッチ・コレクション/白馬高原・登山 スキー用品土産物一式「松屋百貨店」 - 長野・白馬 (3)

これはおそらく現在のJR東日本・大糸線「白馬」駅の西側すぐ、長野県北安曇郡白馬村にある酒類・土産物を扱う「株式会社松屋本店」が”松屋百貨店”だった時代の経木のマッチ箱なのだと思います。
以下、そうであると仮定して話が進みます。

変色が進んだマッチラベルに「11」という加入者番号、山とロープウェイと登山用バックパックとピッケルとロープといった登山用品が描かれています。

創業は1897年、とありました。
“駅前店”は「白馬」駅前の店、つまり「株式会社松屋本店」。ただし「白馬」駅という駅名に改称されたのは1968(昭和43)年10月1日、開業時は「信濃四ツ谷」駅だったので、「駅前」がどちらの名称の時代だったのかわかりません。
“細野店”の「細野」は “長野県北安曇郡北城村細野(現・白馬村八方)”のことになります。

第2次世界大戦以降の日本における最初の登山ブームは1956年から1970年代半ばにやってきます。
1956年はネパールにある8,000m峰の山「マナスル」へ日本山岳会が初登頂した年です。
“松屋百貨店”はそんな時代がやって来る前から白馬を支え、登山ブームを支え、現在に至るのだと思います。

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マッチ・コレクション/食堂百貨の「千日堂」 – 大阪・千日前

マッチ・コレクション/食堂百貨の「千日堂」 - 大阪・千日前 (1)
マッチ・コレクション/食堂百貨の「千日堂」 - 大阪・千日前 (2)
マッチ・コレクション/食堂百貨の「千日堂」 - 大阪・千日前 (3)

“千日前の千日堂 甘党フアンの千日堂 
食堂百貨の千日堂へ 行こうじゃないか

味はとびきりおいしくて 何でも安い
だから毎日毎晩  千日堂へ行く”

僕は小学生の頃からAM放送を聴かなかった。今でもほとんど聴かない。
でも、まだ大阪のことは小学校か中学校かで教わる程度のことしか知らなかった時代に、家のどこからか、誰かの家からか、誰かの家で、AM放送で「千日前の千日堂」のCMが流れてくるのを僕は聴いた。
1950年から1980年代に神戸・大阪で育った人であれば、聴けばわかる。歌詞さえ覚えていれば曲に合わせて歌うこともできるだろう。

大阪・千日前に”食堂百貨”と呼ばれた「千日堂」という総合レストランがあった。スッポン鍋が名物だったように入口には「スッポン太郎」と呼ばれる像が建っていたという。

「千日前の千日堂」は2001(平成13)年に閉業している。2021年4月3日の時点では「ビックカメラ なんば店」に近い場所だったそうだ。
僕が”千日堂”でもらったものではないが、「641」という市内局番時代のマッチ箱をたるみ燐寸博物館の寄贈された多くのマッチ箱の中に見つけた。

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マッチ・コレクション/キムラ珈琲館(三宮京町店:ニューセンタープラザ地階)

マッチ・コレクション/キムラ珈琲館(三宮京町店:ニューセンタープラザ地階) -1-
マッチ・コレクション/キムラ珈琲館(三宮京町店:ニューセンタープラザ地階) -2-
マッチ・コレクション/キムラ珈琲館(三宮京町店:ニューセンタープラザ地階) -3-
マッチ・コレクション/キムラ珈琲館(三宮京町店:ニューセンタープラザ地階) -4-
マッチ・コレクション/キムラ珈琲館(三宮京町店:ニューセンタープラザ地階) -5-
マッチ・コレクション/キムラ珈琲館(三宮京町店:ニューセンタープラザ地階) -6-
マッチ・コレクション/キムラ珈琲館(三宮京町店:ニューセンタープラザ地階) -7-
マッチ・コレクション/キムラ珈琲館(三宮京町店:ニューセンタープラザ地階) -8-

キムラ珈琲館のマッチ箱があります。
“川崎店”の「川崎」は神奈川県川崎市の「川崎」ではなく、”松本店”の「松本」も長野県松本市の「松本」ではありません。
「川崎」とは神戸市にある川崎重工業のことで、「松本」は神戸市営地下鉄「上沢」駅に近い”松本通”を意味します。

さて、「三宮京町筋店」は”ニューセンタープラザ地階”にあったはずですが、三宮センター街に「ニューセンタープラザ」なんてあったかな、という僕の疑問符だらけの記憶は「三宮センター街三十年史(1978年、三宮センター街連合会)」に収録されている地図の中に「センタープラザ」の南側、京町筋と生田筋に挟まれた場所に「ニューセンタービル」という表記を見つけたときに、いくつかの疑問符が消えていくようにも思いました。ジュンク堂書店三宮店やナガサワ文具センターが入居するビルです。
しかし、地上から見ても「ニューセンタービル」が僕の探している”ニューセンタープラザ”なのかわかりません。
「さんプラザ」と「センタープラザ」を東西に分ける「京町筋」に架かる「Cブリッジ」にまで上がってみました。そこから「ニューセンタービル」方向を眺めてもわからないことには変わりがなかったのです(撮影:2021年3月26日)。

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他人の空似。

他人の空似。

僕のものではない他人の空に何本も引かれた黒い補助線。さらにその上によく似た白い補助線が重なる。
黒い補助線とは異なり、白い補助線は描かれると同時に濃度を失っていく。

他人の空似。他人の空に。