



マッチ箱の背の部分にある”京都 千中下西”とは京都市上京区の「千本通中立売下ル(せんぼんどおりなかだちうりさがる)」の西側という意味であるという僕の推測は京都の町名の複雑さの中で迷子になってしまうのですが、京都・千本通りにはかつて映画館が多く存在していたようです。西陣織物業が栄えていた時代のことです。
たとえば、1984(昭和59)年6月に閉館した「西陣キネマ」は「上京区千本通中立売上ル東入北側」、1953(昭和28)年開場し、1970(昭和45)年に閉館した「北野東映(北野劇場-北野東宝)」は「上京区千本通中立売下ル東側」。
1963年6月に閉館した「千本日活(大野座-千本の芝居-千本座)」、1987年6月に閉館した「千中ミュージック(千中劇場) 」(「千中ミュージック」時代はストリップ劇場でした)などなど。
尖ったデザインとでも言うのでしょうか。黒地にバーの店名である”BORERO”の金色の文字は右へ行くほど鋭角となる二等辺三角形に収まっています(写真ではわかりずらいかもしれませんが、金色なんです)。
マッチ箱における残りにくい色のひとつなのですが、きれいな状態なのは大切に保管されていた証でもあります。
残念ながら、僕にはその想いと記憶をここに再現することはできないのです。