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雑文

信号が変わるたび、僕は右手の影の位置を探した。

信号が変わるたび、僕は右手の影の位置を探した。

「最後に。訊きたいことがある」と彼女は言った。「あたしはあなたが祈らなければならないなにかを残していかなければならないの?。いい加減、その右手だけはもう離してくれない?。あたしはしゃべらないことで有名なの。消えていくだけ」

信号が変わるたび、僕は右の手のひらを見る。
時々思う。僕はなにをやっているのだろう。