


日本の地名にはかなり疎い。日本史にはひどく知識がない。NHKの大河ドラマも観ない。
阿山県北部に真庭市に「足温泉」という温泉があって、「足」は「たる」と読む。稲垣足穂の「足」と同じ読みである。
織田信長の死後、側近として仕えた家臣が書き起こした信長の記録「信長公記(しんちょうこうき)」の中で、”元亀の年号不吉に候間”とある。
この「元亀(げんき)」という年号は1570年から1573年まで用いられた。
そんな時代、高田城主(どこの高田城のことだろうか?)であった山中鹿之助の妹婿で佐伯辰重なる人物が刀や矢で傷ついた武士を癒やすために、この温泉の湯を樽(たる)に詰めて送った(文献によっては佐伯辰重の刀傷を癒やすために高田城中に湯を運んだ。「汲湯」)ことから「足温泉」と名付けられたそうだ。
それから時を経て、1948(昭和23)年の「温泉法」に基づき国民保養温泉が選定された。
そんな背景がある「泉屋旅館」のマッチ箱である。
湯につかる二人の顔がおもしろいのだが、彼らが誰であるのか僕にはわからない。
急に寒くなったので、温泉でゆっくりとしたいところでもある。