


“朝々秀絶沈峰景”と詠んだのは軍医総監であった松本良順。
この詩を掛け軸として床の間に飾ってある旅館の部屋に宿泊したのが犬養毅で、感銘して詠んだ対句が”暮々最佳満湖情”だそうです。
その舞台となったのが「滋賀県大津市尾花川」にあった「紅葉館」です。
「近代日本の国際リゾート:一九三〇年代の国際観光ホテルを中心に(著:砂本文彦、2008年、 青弓社)」には
“1932年10には実際に大津市尾花川の琵琶湖湖畔に最初のダンスホールとして紅葉館が開設される。琵琶湖ホテルにも別棟の専用ダンスホールが計画されていた。京津を結ぶドライブウエーは、琵琶湖にダンスという強力な娯楽をもたらそうとしていたのである。”
と書かれています。
ここでいう「紅葉館」とは旅館そのものではなく、「紅葉館」の別館として建てられた「琵琶湖ダンスホール」のことだと思います。約50人の専属ダンサーが所属していたそうです。
大津市には丸玉観光の木下彌三郎が1946年に開業した観光旅館「紅葉館」がありましたが(のちに「旅亭紅葉」、「びわ湖温泉ホテル 紅葉」へと改称したが、2013年閉館)、創業年と場所が一致しないので関連があるのかないのか調べきれませんでした。
明日から2020年も最後の月となりますね。そろそろ紅葉の見ごろも終わりです。