スタックオーバーフローする羊。

アンニュイ。
そんな言葉が肯定的な意味合いをもって受け入れられ、流行った時代の記憶はまだ僕の手の届くところにある。

彼女はいつも「アンニュイ」な髪型に「アンニュイ」なメイクをして「アンニュイ」な服を着ていた。魅力的で、大抵の人から好かれていた。
彼女の記憶はまだ少しは僕の手の届くところにあるが、彼女が今、どこにいるのか知らない。

そんなものだ。

眠れない夜に、柵を飛び越え終えた羊たちがあふれ、行き場を失う。

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