
僕は診察台に横になって、永遠にやってこない診察の時間を待っている。
病院の診察時間はずっと前に終わってしまっているので、そばを通る看護師に「診察はまだですか?」と僕は質問する。
「あら、ごめんなさい。先生が忘れたのかしら。確認してきますね」そう言って去った彼女は永遠に戻ってこなかった。遠くで鳴る雷が聞こえた。
そんな夢をよく見る。
「これは外さないようにね」とマスクのようなものをベッドに横になった僕の顔に誰かが取り付ける。どうして僕がここにいるのか思い出せなかった。
僕が視線を右に向けると窓からマッチの火をいくつも集めたような光が揺らいでいた。
そんな夢を見た。