
僕はようやく20歳を過ぎたと思われる女のコに対し、遠くまで通る声の出し方を指導している。どういう経緯でそうなったのかは省略されている。
「この場所からあちらのほうに向かって」と僕は指差す。「発声練習をすると、誰かからうるさいと苦情が出たことはあるかな」
ないと思う、と彼女は言った。
「それでは、いつもの通りやってみて」と僕は言う。
彼女は感情を込めずに、出せる限りの声を出した。
「それだと、喉を痛めてしまうだけだ」と僕。そして「こういう具合に」と”あちらのほうに向かって”、フォアハンドスローでフライングディスクを投げた。
そんな夢をみた。