“八十七歳でどうして自分の歯が全部そろっているかと、かかりつけの歯医者が尋ねたことがある。わたしは答えた。秘訣は、だれかがこっちの口を殴りつけようとしたときにはかならずよけることだと。 (ダニエル・フリードマン「もう年はとれない」、翻訳:野口百合子、2014年、東京創元社) “
たぶんそうなんだと僕も思う。
「親知らず」は4本とも生えてこなかった代わりに、僕には下の顎の骨が過剰に発育してできた、人に誇ることができるくらい立派な 「骨隆起」があって、歯科医から「入れ歯の際には面倒になる」って宣告されているので、28本の歯を大切にしてきたわけだけれど、 なんども絵本の背や積み木や子供の肘の攻撃を受けてきた上の前歯が今年の秋に1本折れたことは僕にとって少々つらいことだった、と2018年の思い出として書き残しておくことにしよう。