電話番号

電話番号

「アルバイトのことなんですが」と電話口で女性の声がするので、「はい、どういうことでしょう」と僕は答える。僕の店ではアルバイトを募集していない。
「どこどこ(ご迷惑がかからないよう、便宜上、「どこどこ」と表現します)、というお店はいまアルバイトを募集してるんでしょうか?」と彼女は言った。高校生か大学生くらいの声にも聞こえるけれど、そうでないかもしれない。
「いえ、どこどこ、という店は僕の店ではありませんので、アルバイトを募集しているかどうかわからないのですが、どういう経緯でこの電話番号におかけになったのでしょうか」と僕は訊ねた。
「検索して、blogを見て、CONTACTをクリックして、電話をかけました」。
「ありがとうございます。確かに僕はどこどこ、というお店のことをblogに書きましたが、僕はそのお店の関係者ではありませんので、ご質問にはお答えしかねます。直接、そのお店にお電話していただきたいと思うのですが、そのお店の電話番号がわからないということでしょうか」と僕。
「はい、そうです」と彼女が言うので、そんなに検索で上位に表示されるような内容をblogに書いたかな、と疑問に思いながらも「少々お待ちください」と僕は言って、GoogleとBingを検索して、どこどこ、という店の検索結果を見るのだけれど、僕のblogにたどり着くよりもどこどこ、というお店の電話番号にたどり着く方が早いのである。
見つけた電話番号を僕は彼女に伝える。彼女は電話番号を復唱し、丁寧に、本当に礼儀正しく、「ありがとうございます」といって電話を切った。

遠回しなイタズラじゃなければいいと思う。

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