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雑文

型通りの型どり

型通りの型どり

“彼は省内での仕事にとても満足していた。予算の概算を作成するのは心躍る作業だった。自分たちが作っているその概算が、何十万人というノルウェイ人の日々の生活に、様々な形で現実的に深く関わっていくことになるのだという事実を、常にひしひしと意識させられた。そういう思いがあれば、人は仕事に対する興味を失ったりしないものだ(ダーグ・ソールスター「NOVEL 11, BOOK 18 – ノヴェル・イレブン、ブック・エイティーン」、 翻訳:村上春樹、2015年、中央公論新社)”

今、僕はダーグ・ソールスターの作品「NOVEL 11, BOOK 18 – ノヴェル・イレブン、ブック・エイティーン」を読んでいる。
ノルウェイで1992年に出版された、しかも小説という虚構の物語の文章を、ノルウェイのことを詳しくしく知らない僕が今の日本にそのまま当てはめることはできない、と思っているのだけれど、日本の行政機関が作っている予算の概算が、何千万人という日本人の”日々の生活に、様々な形で現実的に深く関わっていくことになるのだいう事実を、常にひしひしと意識”してくれているかどうか、僕にはもっとわからない。
たぶん、ワクワクするような仕事ではないのだと思う。そして僕たちもワクワクできないのです。