テレビ番組が導く方向を良質で、僕よりも信用があると確信している母の繰り言が続くと、それはすでに口撃となって僕たちを襲うので耐えることとその言葉になんの価値もないのだと思う限界を見誤りそうなので、気分を変えるためになにかをしても元の場所に戻っていることに僕が気づくとき、それは僕がなにもしたくないということと同じである。
「わたしは普通のおばあさんと違うで」と僕の母が言うときの「違う」とは上品で経済力があって、教養の豊かな家に生まれ育ったという意味らしい。
それがどうしたのだ、と僕は思う。やれやれ。残念で悲しい。