「アイスクリームは来年からなしやで」と僕の母が双子の息子たちに怒鳴る。
アイスクリームを買っているのは僕の妻や僕である。
「将来、奇形が産まれるで」と母は僕に向かって言う。
「アイスクリームを食べる」->「甘いモノを食べ過ぎる」->「糖尿病になる」->「奇形児が生まれる」という論法だと思う。
大きな間違いが含まれている。
相手にしないことがもっとも利口な振る舞いであることは承知しているが、残念だがここまで言われると僕がなにも反論しないわけにはいかなくなる。
双子の息子たちの致死性不整脈は2014年までに地球上のすべての国で – もちろん医療技術が進んでいて、それを発見・報告できる状態の国で – 医療機関に報告された例は1000程度しかないらしい。
加えておくが、器質的心疾患はない。遺伝する病気ではない。
僕がそう説明するとその約1000例をもって僕の母は息子たちのいる前で「世界に1000人なら奇形」と言った。
暗に僕以外の誰を非難しているかは明確である。何かの勘違いで僕を受け入れないのならそれでかまわない。どこからも受け入れられないことに僕はもう何年も耐えてきたからだ。
おおよそ2年ぶりの過換気症候群で2017年が残りわずかになっている。なんてこった。
今から年賀状を作成する。