食べたことがあるかって?
リアルタイムには食べたことがないけれど、現在も作り続けられている「ローマン」を食べたことがあると思うのです。
以前勤めていた会社で、岡山か松山に出張した誰かがお土産に買ってきてくれたような気がするのです。
「労饅」とは「労研饅頭」のことで、「労研」とは岡山県倉敷市にあった「労働科学研究所」のこと。
「労働科学研究所」は現在の「大原記念労働科学研究所」。
「饅頭」は「まんじゅう」と読むのではなく「まんとう」。
“栄養價の高い安うてうまい労饅”、”主食代用”、”おやつに林のローマン”、”お弁当に林のローマン”、”林源十郎商店栄養研究部”
「林のローマン」は倉敷の薬屋として1657年に創業した林源十郎商店の蒸し菓子で、「日本のイノベーション・岡山のパイオニア1: 2007年公開講座講演集 第1巻」によると”昭和4(1929)年、ちょうど昭和恐慌の年ですが、労研饅頭の試食会を行ったところ、「これには栄養価が高い」と言われたのです。これを熱心にやったのが、先ほど言いました林源十郎でした”とありました。
その後、「労研饅頭」は政府の目にとまり、昭和恐慌後の景気対策の一環として、指定者組合をつくらせ、この組合を通じて普及させたそうです。
林源十郎は倉敷紡績(クラボウ)、倉紡中央病院(現:倉敷中央病院)、倉紡中央病院(現:倉敷中央病院)、大原美術館などの設立者として知られる大原孫三郎と交流がありました。
林源十郎商店は林薬品株式会社を経て株式会社エバルスへ、林源十郎商店は林薬品の建物を改装し、倉敷生活デザインマーケット「林源十郎商店」となったようです。
* blog内、全て敬称略です。