完璧なプログラムが存在したとしても完璧なシステムが存在しないように、欠点として非難するべき部分がまったくない人は存在しない、と僕は思う。
僕は完璧ではない。モノゴトを間違って解釈したり思い込んだりしていることもある。
でも、現状をよりよくしていこうと思う。
そういった態度が僕の母に欠けていることは残念だ、と思う。
オンラインショップで買った商品が届くことに「金持ちやな」と言われることには慣れきってしまったけれど、最初の冬が終わって、夏が終わり、ふたたび冬が終わり、ふたたび夏が終わり、そして冬に向かっても、僕が子供たちの部屋より優先してまで母の部屋に設置したエア・コンディショナーを一度も掃除することができないのは「わたしは一回もエアコン使っていない」と母が言い切るからだ。
エア・コンディショナーを使ってはいけないと言ったことはないし、使っていることは僕たちは知っているので、「使っていない」と押し通す意味が僕には解せないのだけれど、使っていなくてもホコリはたまるので掃除をしたい、という説明が意味をなさないのはどうしてだろう。
家は上質な革製品のように育てていくものだ、と僕は思う。