“飛び立とうと思わなければ、けっして落ちることはない(スティーヴ・ハミルトン「ニック・メイソンの第二の人生」、翻訳:越前敏弥、2016年、角川書店)”
今週の月曜日の母の「言い掛かり」以降、僕の気分はオックスフォード英語辞典の中のひとつの単語より小さくなっている。
言い掛かりには根拠なんてない。それが「言い掛かり」だ。
「今日はお年寄りの日でっしゃろ」
敬老の日に僕たちが何もしなかったからか、妻の実家の悪口を僕に話し続けた月曜日。
妻の父が法律にそむく行いをした、と僕の母が何年も思い込んでいるのはどうしてだろう。
思い返せば、僕が知っている「昔」からそうだった。そういう性格だった。
“ルールその三。よくわからないときは口を閉じていろ(スティーヴ・ハミルトン「ニック・メイソンの第二の人生」、翻訳:青越前敏弥、2016年、角川書店)”
だから僕は母と話をしない。きちんと話をするべきだという助言はいらない。そういう試みは繰り返す敗北の心持ちで終わる。
「常軌」とはなんだろう、と思ってしまう。