箱へと乱雑に放り込まれたあまりにも多い古いマッチラベルを譲り受けてから、おおよそ2年になるのだと思います。
それらを整理・分類しているとき、「藤井龍角散」という古いマッチラベルを見つけました。
1889(明治22)年、市制施行により東京府東京市神田区ができました。1947(昭和22)年に麹町区と神田区が合併し、千代田区が誕生しています。
おそらく、株式会社龍角散へとつながるマッチラベルだと思います。
公式サイトにある会社沿革には「藤井龍角散」という社名を見つけることができませんが、東京・神田で創業した1871(明治4)年から1928(昭和3)年に「株式会社藤井得三郎商店」となったころのマッチラベルだと思うのです。
それほど珍しいマッチラベルではなさそうです(たぶん…)。
いろんなところで見かけるのはこのラベル(燐票)を貼ったマッチが多く流通した証であるのかもしれませんね。
父が好んで「龍角散」を服用していました。付属の小さなスプーンですくって、水を使わずに服用する、アルミニウムの円形の缶に入った不思議な粉状の薬だと僕は思ったものです。僕は苦手でしたね。最近の僕が懐かしさに惹かれて買ってしまおうかと思ったことは認めます。
コピーライターの大野充昭さん(たぶん…)が考え出した「ゴホン! といえば龍角散」はもう僕の娘にも息子にたちにも通じませんが、娘は幼年期にときどき株式会社龍角散の「おくすり飲めたね」のお世話になりました。