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鉄柱

鉄柱

まっとうな夜が存在するようにまっとうな朝は存在する。

ちょっと肩が触れたと思ったので、「ごめんなさい」と僕は謝る。
実店舗と自宅の鍵が連なった束を僕はポケットから取り出す。

謝った相手が駅の屋根を支える柱であっても、改札を出ようとしてICカード読み取り部に鍵の束をかざしたとしても、まっとうな昼は存在する。

まっとうさを欠いているのはボトルの底に沈殿した果実の成分のような気分の僕ということになる。

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