今となってはもう随分と昔のことになるのだけれど、2か月ほど入院したことがある。
特に行動を制限される症状でもなかったので、本を読んだり、音楽を聴いたり、病院のテラスで軽く運動したり、時々、外出許可をもらって、気の向くままに近距離なら移動することも許可されていた。
眠れない夜に病院のベッドの上に、階段に、そして共有スペースにある椅子に膝を抱えながら座り、TAKUIの2002年の2ndアルバム「CHUNKY GOD POP」を何度も音量を高めにしてヘッドフォンで聴いていた。
中島卓偉が「TAKUI」として活動していた頃の作品。
“何を踏台にしても構わないから
君といれることだけが自由と叫びたい(3曲目「TRUE MIND」、作詞・作曲:中島卓偉、編曲:野山昭雄/中島卓偉)”
“君と生きようと誓った
君を守ろうと誓った
決して報われなくとも
君と生きようと誓った(5曲目「STAY TOGETHER」、作詞・作曲:中島卓偉、編曲:野山昭雄/中島卓偉)”
とにかく、この時にの僕にはこの世界にあると思われるありったけの愛とありったけの音楽と読むことを求められる本と、そしてある限りの時間が必要だった。
僕は何も変わることはなく、そして僕がもっとも希求したことは可能な限りの深い眠りだった。
月と太陽と仲良くなる才能には恵まれていることに気づかされたよ。
* blog内、全て敬称略です。