薄い雲が神戸の街を覆う。
前回、髪を切ってから2か月と20日を経過した今日、僕は髪を切り行く。
「KOH-I-NOOR HARDTMUTH(コヒノール社)」の木製軸の2.5mm芯ホルダーを買って帰る道はJR三宮駅からJR神戸駅までの短く、足早の散策。
人はどれくらいの間隔で髪を切りに行くのだろう。
それは間隔の問題ではなく、感覚的なもの?
それは自分のためではなく、大切な人に会うため?
それは気まぐれではなく、決意に似たもの?
元町商店街を途中で南に折れ、神戸ポートタワーに向かう。
トレーシング・ペーパーのような何層にも重なる雲のせいか、雲は青みを帯びている。
神戸ポートタワーの北側の地域は騒がしいほどの再開発の波。
神戸港の波は静か。
いつしか、近いうちに、遠く北側から神戸ポートタワーを美しく望むことができる場所は変わる。
いつしか、近い将来、遠く南側から神戸ポートタワーを望む風景は変わる。
そのときに臨む覚悟を僕は決めなくてはならない。
変えてもいいもの、変わっていいもの、変えなくてはならないもの、気まぐれなココロのように、いずれ、時が検証を行う。
そこには一切の歪みもなく。