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2012年5月30日の夕焼けの中に虹

2012年5月30日の夕焼けの中に虹
“海岸と太陽があれば、人の注意力の限界はだいたい2分30秒で、寒いときは四分そこそこだ。これは会社のコンピュータで計算したんだから間違いない”

暗殺者ジェイソン・ボーンを生み出し、映画「The Bourne Identity」「The Bourne Supremacy」「The Bourne Ultimatum」という「ボーン」3部作の原作となったロバート・ラドラムの長編3部作の最後にあたる「最後の暗殺者(翻訳:篠原慎、1990年、角川文庫)」の中からの引用。

緊張感のある場面での少し冗談めいた会話の一部なのだけれど、そうすると、僕の場合の注意力は2分30秒あたりで消失してしまう。

しかし、僕はそれを受け入れよう。
海岸と太陽があれば僕の注意力はだいたい1分19秒くらいだろう。
そこに魅力的な女のコでもいれば、僕の注意力はだいたい31秒くらいに縮まるに違いない。
そして、その場合の太陽が夕刻の空を青色からオレンジ色に変える瞬間であれば、僕の注意力はさらに縮まり、おおよそ11秒になる。

2012年5月30日の夕刻の光景が僕を圧倒する。
わずかな青みを残し、灰色の雲が覆い被さる空をオレンジ色に染めながら西に沈む太陽の遠く北側に、大きな虹の断片を見つける。

この瞬間を共有できなかった僕のblogへの漂着者のためにと、カメラを向けるが、うまくディジタル・カメラに収めることができない僕の未熟さに辟易する。

あきらめた僕はゆっくりとその虹が消えていく時間と空間を眺める。
注意力をおおよそ11秒に縮める女のコはこの時、僕のそばにいない。

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