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雑文

2012年3月の終わり/マリンピア神戸

2012年3月の終わり/マリンピア神戸

強い風と雨に始まる。
朝の空は厚い雨雲に覆われ、低空を濃い色をした雲の固まりがいくつもいくつもいくつも東に流れていった。
そんな低空を流れる雲のごとく、神戸空港へ向かう飛行機は機体を低空にしていつもより北寄りに飛行する。

しばらくすると、風の強さはやや和らぎ、雨も小降りになって、空は複雑な姿に変わる。

雨が止んだかと思うと、再び、降り始め、また止んではほんの少し降っては止む気まぐれさに翻弄される。
風も目覚めたように強くなり、安い価格の傘がその骨をいくつも折り曲げ、その風に持ち運ばれたのか、持ち主も知れず、道に無残な姿で置き去りにされる。

午後もいくらかの時間を経過すると、強い風に多くの雲が押し流されてしまったかのように、大きく青い穴を開けた天空に月が見える。飛行機が雲で空に補助線を描くこともなくその月を横切っていく。
垂水に吹く風は冷たく、夕刻の人々の足はまるで何かから逃れるように早く、絶好の夕焼け鑑賞日和であるにもかかわらず、三井アウトレットパーク「マリンピア神戸」の西にある広場の椅子に腰を掛けて夕陽を眺める恋人たちもいない。

夕陽が様々なモノに公平に長い影を作り出す時間。
同様に時間も長く引き延ばされたかのように、ゆっくりとした感覚のコートを身にまとい、オレンジ色に染まる西の空は長い時間、垂水の街の西にあって、僕たちを照らしていた。

そうやって、2012年3月の終わりに近づいていく。

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