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岡崎京子/ジオラマボーイ パノラマガール

岡崎京子/ジオラマボーイ パノラマガール

岡崎京子の「ヘルタースケルター」が2012年7月14日より全国ロードショーされるらしい。
監督は世界的フォトグラファーであり、初監督作である「さくらん」がベルリン国際映画祭に出品されて、大ヒットとなった蜷川実花。
蜷川実花は2012年2月6日のblog<村上春樹の「海辺のカフカ」、遂に日本で舞台化へ>で書いた蜷川幸雄を父に持つ。

蜷川実花は本作の映画化に約7年の歳月を必要としたらしい。

株式会社マガジンハウスからかつて発行されていた「平凡パンチ」がその元気さを失いつつある時期に、岡崎京子のこの「ジオラマボーイ パノラマガール」は8か月間にわたり連載された。

そして僕が初めて買った岡崎京子の作品である。1989年4月26日第1刷と手元のコミックに印刷されている(2010年に「新装版」として「ジオラマボーイ パノラマガール」が復刊している。装丁は異なります)。

彼女自身が書いた「あとがき」にあるように、この物語は「人工的で鳥瞰的なかんじ」がする。
登場人物も建物も物語も彼女の俯瞰によって描かれ、そして切ない。

僕は岡崎京子が描く「画」が好きだ。

岡崎京子は1996年5月19日18時半、東京都世田谷区の自宅の近くで散歩中に飲酒運転のクルマにはねられ、頭部打撲・頭蓋骨骨折・脾臓破裂で東京女子医大に入院、緊急手術するが、意識不明の重体。その後、意識は回復したものの、現在も執筆できない状態が続き、療養中だそうだ。

5月19日といえば、僕の誕生日。だから、僕はこの事故を忘れることができない。それって、まったく個人的なことだけれど、ね。

誰にでも回復するには自分なりのペースがある。多くの健全な人たちは忘れがちなのだけれど、回復にもその人自身のペースがある。歩くスピードと同じで、他人と「歩」を一にする必要なんてない。もちろん、読者として、早い回復を祈るのではあるけれども…。

僕はゆっくりと彼女の回復を祈っている。

* blog内、全て敬称略です。