僕のマッチ(マッチ箱)・コレクションから「浮世絵燐寸」シリーズの紹介です。
戦前のマッチは薄い木でできた箱、木枠の箱に印刷したラベルを貼りつけていました。薄い木でできたマッチ箱、木枠のマッチ箱の側面を飾ったものを「燐票」と呼んでいます。
木のマッチ箱、木枠のマッチ箱に「燐票(ラベル)」を貼るという製造工程は採算的に見合わないため、マッチの普及と共に現在のような紙(ダンボール)でできたマッチ箱へと置き換わっていったようです。
「浮世絵燐寸」もその例外のもれず、戦前は木の箱に「燐票(ラベル)」を貼るかたちで世の中に存在しました。そしておそらく、戦後はこの木のマッチ箱の「燐票(ラベル)」データを元に紙のマッチ箱を作ったのでしょう。
中段の画像の左は「THE HANGA SERIES MATCH/HIMEJI MATCH CO.,LTD.」と印刷されています。また同じ中段の画像の中心にあるマッチ箱は銀色の台紙に浮世絵がカラー印刷されています(スキャナーでマッチラベルを取り込んだので、くすんだグレー色に見えますが、本来の箱は銀色で光を反射しています)。
下段の画像のマッチ箱は同じ浮世絵でありながら「日本の美女マッチシリーズ/ハリママッチKK」と印刷され、サイズも少し小さくなっています。また同じ下段画像の右のマッチ箱には「浮世絵燐寸/神戸マッチ謹製」と印刷されています。
同じシリーズの中にも特別な加工を施したり、マッチの製造会社が変わったりと、燐寸・燐寸箱という小さな世界にも様々な工夫と過酷な試練を乗り越えてきた歴史を見ることができます。