(2)「”SUN” HEMMI」という文字を見て取ることができます
父が生前に設計の仕事をしている時に使っていた「Hemmi」計算尺を見つけました。
湿気の多い納屋に、しかもダンボール箱に無防備に放り込まれていたため、かなり劣化して、計算尺に「染み」がいくつも見受けられます。
かなり昔のことで、記憶の端っこに引っかかって、落ちそうなくらいの曖昧さながら、計算尺の使い方を父に教わったことがあるのだけれど、覚えの悪い僕をため息混じりに叱りながらも、目をキラキラさせていた父を思い出します。
日本で流通していた計算尺のほとんどは日本のヘンミ計算尺という会社が製作した計算尺だったようです。
この直線両面計算尺には「”SUN” HEMMI」という印字がなされています。
戦前のヘンミ計算尺は「SUN」をストレートコーテーションマーク(ダブルクオート)で囲んだ「”SUN”」を、戦後はストレートコーテーションマーク(ダブルクオート)のない「SUN」を使っていたらしいので、この計算尺は戦前のモノということになりそうです。
計算尺なんて、今さら使うこともないでしょうが、現在はヘンミ計算尺は計算尺の生産を終了しているので、貴重な計算尺として、父の思い出とともに大切にしていきたいと思います。