「Jacques Loussier Trio(ジャック・ルーシェ・トリオ)/Beethoven: Allegretto from Symphony No. 7 “Theme and Variations”」というJAZZのCDを最近よく聴いている。
2003年のアルバムで、日本語にすると「ベートーヴェン:交響曲第7番第2楽章(アレグレット)のテーマと変奏」。
ベートーヴェンの交響曲第7番第2楽章(アレグレット)のテーマをジャック・ルーシェがジャズでアレンジしたもので、交響曲第7番第2楽章を純粋にジャズとして解釈した1曲とそこから派生したジャック・ルーシェ流の再解釈をした交響曲第7番第2楽章の10曲の「ヴァリエイション(変奏)」という11曲で構成されている。
このように表現すると、ベートーヴェンの交響曲第7番第2楽章(アレグレット)のテーマを11回繰り返し聴いているのとあまり大きな違いがないんじゃないのかと思うかもしれませんね。
でも、僕はこのベートーヴェンの「交響曲第7番第2楽章」は好きな曲だし、ジャズとしてどのように解釈され、演奏されているのかいつも興味深く聴けるし、ヴァリエイションとして10パターン収録されていると、なんだか嬉しくなる。
ジャック・ルーシェとしても1つのアルバムにアレンジが違うとしても同じ曲を11曲収録するというのはかなりの勇気がいることだったと思う。
例えば、ゲオルグ・ショルティとシカゴ交響楽団の「ベルリオーズ/幻想交響曲」は1992年版(ライヴ録音)より、1972年版(スタジオ録音)の方が好きだとか、ショルティ指揮・ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の「ホルスト/惑星」よりワルター・ジュスキント指揮・セントルイス交響楽団の「ホルスト/惑星」のほうが落ち着いて聴くことができる、といったようなクラシック音楽でも指揮者とオーケストラの組み合わせ、演奏・録音した年によって同じ曲でも仕上がりが異なるように、ジャック・ルーシェ・トリオの「ベートーヴェン:交響曲第7番第2楽章(アレグレット)のテーマと変奏」の11曲がそれぞれ異なったアレンジ・演奏であっても、僕が無条件に受け入れられる曲とからだに合わない服を無理やり着るような感じの曲もある。
マーケット的にこのアルバムが成功したのかどうか、僕はよく知らないのだけれど、とにかく企画としては興味深いものがありますね。