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雑文

2012年2月2日の寒さのなごり

2012年2月2日の寒さのなごり(雪)

2012年2月2日の寒さのなごり(氷)

“どうしたら、朝、目が覚めたときに本気でベッドから出たいって思えるんだろう? ほかの人間はみんなその秘訣を知っているのに、おれだけは今人生の入口できき忘れちまったのか? それとも…(以下省略)”

2012年1月14日のblogに書いたジェイ・マキナニーの「モデル・ビヘイヴィア(1999年、翻訳:金原瑞人、アーティストハウス)」にこのような文章がある。

ごく普通に「まったく」という以上の強調が加わって、最近の僕は「朝、目が覚めたときに」の「秘訣を知」りたい。

ゴソゴソと脳の配線とカラダの配線をつなぎあわせる作業を行い、やっとのことで顔を洗い、決して早いとは言えない朝食を摂ると、乱暴に服を着て、昨日の寒さの余韻を探すために、散歩をする。

外はキリキリするような冷たい空気の中をやわらかな陽が通り抜け、昨夜の少しばかり降り積もった雪を溶かしつつある。

工業用水路に架かる小さな橋の上に雪がわずかに残り、少し離れたところにある用水路は薄く凍りついて、陽光を様々な色と形の反射光に変えている。

冷たい大気がカラダとココロをまるで分厚いオーバーコートのように包み込み、僕は空を見上げ、冬の豊かな青い空と雪のように白い雲を眺める。

“時代の要請なんてコロコロ変わるし、酷な話だ。夜、自分のベッドで眠れるだけでも、世の力に対する貴重な勝利だ(チャールズ・ブコウスキー著「パルプ」、2000年、翻訳:柴田元幸、新潮社)”

僕の一日が少なくとも、「貴重な勝利」であってほしい。

* blog内、全て敬称略です。

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