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もう一つの「Music For Airports」(performed by 「Bang on a Can」)

もう一つの「Music For Airports」(performed by 「Bang on a Can」)
一つめのことを書かずに「もう一つの」と表現するのは少々強引すぎるきらいがあるのだけれど、既にBrain Eno(ブライアン・イーノ)の手によって創作、1978年にリリースされた「Music For Airports」の知名度が高いので、ブライアン・イーノの作品に関して、「書かないで済めせられたら気が楽だな」と思ったくらいのことで、他意はありません。

しかしながら、ブライアン・イーノって知らないよ、という人だっているわけだし、彼の作品「Music For Airports」なんてもっと知らないという人もいないわけでもない。

ブライアン・イーノの経歴に関してはweb上に詳しく書かれているので、この「Music For Airports」について少しだけ、検索エンジンを使う手間を省いておいたほうが親切かもしれない。

ということで、この「Music For Airports」はアンビエント・ミュージック(環境音楽)で、空港施設内で再生されることを目的として製作された(正確にはある空港施設内で用いられていた音響が人の声や雑音に混じって耳障りで、それに嫌気がして、「それじゃ、僕が新しいジャンルとしての音楽のカテゴリーを確立させちゃえ」みたいな目的があったのだけれど…)。
実際に空港施設内で使われたという話を随分と昔にどこかで読んだことがあるのだけれど、僕は実際に現地へ出向いて確かめたことはないはないのです。

ブライアン・イーノは電気的に処理されたピアノや女声などによる単純な旋律を持つ音素材を長いテープ・ループに録音し、それらを再度、同時演奏させながら組み合わせて、再録音することでアルバムを作り上げた。よってスコアは存在しない。

おそらくそこには多くの偶然と永遠に続くであろう自然界の音源への憧れも含まれていたのだろう、と勝手に思っているのだけれど、アルバムに収録された4曲は巧妙に計算されたブライアン・イーノの創作であることは間違いない。

そのスコアの存在しないブライアン・イーノの「Music For Airports」を1987年に設立された現代音楽のためのグループ「Bang on a Can」がチェロ、ベース、ピアノ、キーボード、パーカッション、エレクトリック・ギター、クラリネット等を使って忠実に再現したのがもう一つの「Music For Airports」になる。
リリースは1988年。
もちろん、忠実と言っても、まったく同じモノではなく、現代音楽の演奏グループとしての解釈がそこにはあるし、前者が「テープ・ループ」という手法を、後者は「楽器を人が演奏する」という手法を用いている点でも、大きく異なっている。

「Bang on a Can」が演奏するCDは他に「Terry Riley(テリー・ライリー)」の代表的なミニマル・ミュージック「In C」も持っているのだけれど、これも満足のいく仕上がりになって、オリジナルより気に入っている。

僕は個人的にミニマル・ミュージックが好きなので、このような作品に一種の憧れようなモノがあって、違和感がないのだけれど、ミニマル・ミュージックもアンビエント・ミュージックも「ニュー・エイジ・ミュージックやヒーリング(どちらも僕は苦手です)」とマリアナ海溝で隔てられた2つの海洋プレートほどの差があるので、気をつけてほしい。