僕にも(誰にでも)磁石の「S極とS極、N極とN極」同士のようにどうしても受け付けないモノもありますが、空を眺めるのが好きな僕は本に「空」というタイトルが含まれているだけで、磁石のS極とN極の関係のようになんの条件もつけることなく、とりあえず単純に受け入れてしまします。
そういうモノや作品が自分の好みに合っているかどうかは読んでみたり、聴いてみたり、眺めたりして、初めてわかるのだけれど…。
まあ、とりあえず受け入れます。
2011年10月10日に講談社から第1刷発行されたこの絵本は1939年に福島に生まれた詩人である長田弘と1956年に山形に生まれたイラストレーターでもあり、絵本作家でもある荒井良二の二人が手がけた絵本で、タイトルは「空の絵本」。
この「空の絵本」の「空」は空模様を意味しており、長田弘の軽快な言葉選びと荒井良二の思い切りのよい筆遣いが魅力的です。
“あっ 雨”で始まり、まるで何かに吸い込まれ、消えていくように絵本は終わっていきます。
「空」というタイトルに反応するといえば、タイトルにこそ「空」は含まれていないものの、池澤夏樹の1990年の小説「夏の朝の成層圏」もそのタイトルがゆえに購入したのだけれど、この小説はあまりにも透明感がありすぎて、購入当初から今現在も、最後まで読み切っていないことを思い出しました。
きっと自宅の本棚か納屋の段ボールの中で、読まれることをひたすら待っているに違いない。
* blog内、全て敬称略です。