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レイモンド・ブリッグズ/風が吹くとき(When the Wind Blows)

レイモンド・ブリッグズ/風が吹くとき(When the Wind Blows)
クリスマスのシーズンが近づくと、「さむがりやのサンタ」や「スノーマン」や「いたずらボギーのファンガスくん」で知られるレイモンド・ブリッグズを思い出します。

レイモンド ブリッグズの絵本「風が吹くとき」はクリスマスにも雪だるまにも全く関係のない、核兵器による攻撃と放射能の脅威を淡々と描いた大胆なコマ割りで構成された「タテ:30 cm * ヨコ:22.4 cm * 厚み:1 cm」とい大型絵本です。

僕が持っているモノは「翻訳:小林忠夫、1982年、篠崎書林(1983年2月15日 第5刷)」版。僕はこの絵本が日本で翻訳出版されて、すぐに買った覚えがあります。何度も読んだ上に、何回かの引っ越しに耐えたため、絵本のカヴァー部分の痛み具合は結構ひどいです。

1998年にはあすなろ書房から新訳(翻訳:さくま ゆみこ)で復刊されています。

原題はマザー・グースの歌に由来しているそうです。

“Hush-a-bye, baby , on the tree top,
When the wind blows the cradle will fall,
When the bough breaks the cradle will fall,
Down will come baby, cradle and all.”

「坊や、ねんねよ、樹のこずえ、
風が吹いたら、揺りかごがゆれる。
枝が折れたら、揺りかごが落ちる、
坊やも、揺りかごも、みな落ちる(翻訳:小林忠夫)」

小林忠夫は「あとがき」に次のように書いています。

“英米の家庭では最もよく知られてる子守歌で、ほとんどの英米人はこの歌を聞いて育っているわけですが、この詩にはいささか不気味なところがあります。そこで元の Mother Goose’s Melody を見ますと、こんな注がついているのです。
「この歌は思い上がった人々や、野心的な人達への戒めとなるでしょう。彼らは高い所に登ってついにはたいていの人が落ちてしまうのですから」”

この「風が吹くとき」はVHSヴィデオ版で森繁久彌と加藤治子の吹き替えによる完全日本語版を観たことがあります。絵本を購入した当時、英語版を探していたのですが、入手できませんでした。
2009年にデジタルリマスターされたDVD版が販売され、オリジナル英語音声も収録されているようです。やっと、オリジナル英語版で観ることができます。
音楽はピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズ、主題歌:デビッド・ボウイが担当しています。

* blog内、全て敬称略です。

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