カテゴリー
雑文

2011年最後の夕陽と言葉にならない気持ち

2011年最後の夕陽と言葉にならない気持ち
2011年の7月1日から数えて今日で184回目の投稿になります。
書いていることはほとんど取るに足りない内容なので、たいていは晴れた日の突然の短い雨のように、書きたいことが頭に浮かんでくるのだけれど、この1週間は「空に補助線を…。」というblogを書き続けることに数量化できないくらい精神力が必要でした。

それでも毎日書くという基本姿勢を僕は崩さなかったのは、2011年の最後の日でも少なくとも僕のblogを読んでくれている、あるいは見てくれている「読者」のためだけではなく、書くということが僕の存在理由とでもいうべき行為だったからです。
時々でも「空に補助線を…。」を訪れてくれる方々には「ありがとうございます」という言葉と「つまらない内容でごめんなさい」という言葉をここに著しておきたいと思います。

僕はポジティブではないし、どちらかといえばネガティブな思考をしている。でもそれで不自由することもなければ、誰かに迷惑をかける数が多くなったわけでもないと思っています。

空では様々な雲が見送るような様子のなか、2011年最後の夕陽は一筋の雲を横切り、地平線に沈んでいきました。
夕陽は部屋の中を赤く染め、ベランダの細い間隔の柵が作る影や窓硝子の枠の影やテーブルやイスの脚の影を壁に美しく映し出していました。

村上春樹は著書の中で登場人物に次のように語らせています。

“言葉にならない気落ちを胸に抱いたまま眠ることなんてできないのだ(羊をめぐる冒険、講談社、1982年)”

“人には自分が属する場所というものが必要なんだ。多かれ少なかれ(海辺のカフカ、新潮社、2002年)”

今夜は「言葉にならない気持ち」を抱いたまま、眠りに就きます。

* blog内、全て敬称略です。

広告
カテゴリー
モノ

ラッピングバス/アイ・ティ・フロンティア バス(非売品ミニカー)

ラッピングバス/アイ・ティ・フロンティア バス(非売品ミニカー)
部屋を片付けていたら出てきたトミカのバス。
ある人にとっては哀愁を、ある人とっては積年の想いを、ある人にとってはなんの意味もない、そしてある人にとっては見たこともないラッピングバス。

2004年頃から都営バス3系統で「バスラッピング広告」を行った会社が記念として配布した企業ノベルティ。トミカのミニカー(非売品)です。
いったい、いくつ作られたんだろう。

パッケージには「トミカ 集めよう!楽しさいっぱい!/ミニカーの王様」、「人と技術が生きる価値創造企業/アイ・ティ・フロンティア」、「IT Frontier Bus/アイ・ティ・フロンティア バス」、「企画:株式会社アイ・ティ・フロンティア」、「対象年令3才以上」、「注意/保護者の方は必ずお読みください」と書かれています。

この小さなバス本体には裏面に「TOMICA/MITSUBISHI FUSO BUS」、正面に行き先として「ITF本社前」、そして車体5面に企業のロゴマークと4面に「IT Frontier」と記載されています。
この企業の説明によると”コーポレートカラーであるブリティッシュグリーンを基調としたデザイン”とロゴマークを記載しているそうです。

このミニカー以外に、実際に走行しているこのラッピング広告をしたバスを見たわけでも、乗車したこともないので、全く同じデザインのバスだったのかどうかわからないですし、多くのことは語れないのだけれど、ラッピングバスというのは意外とたくさん存在するんですね。

カテゴリー
モノ 雑文

ピンボール・マシンの別の楽しみ方/Heribert Eiden, Jurgen Lukas (共著)「Pinball Machines」

ピンボール・マシンの別の楽しみ方/Heribert Eiden, Jurgen Lukas (共著)「Pinball Machines」
ピンボール・マシンはプランジャーを引き、そして手を離して、金属のボールをフィールドに放ち、如何にして、フィールド内にボールを留めておくか、そして様々な仕掛けをクリアして高得点を得るか、そこにスリルがあるのですが、この本はピンボール・ゲームのプレイ・フィールドやテクニックを収めた本ではなく、「スコアボード」、「バックグラス」デザインに注目した写真集です。

ピンボール・マシンの「スコアボード」、「バックグラス」の人目を惹くデザインはそのまま、ポップアート、シュルレアリスム、アメリカン・コミック・アートの歴史でもあり、また、その時代時代に世界的に注目されたファッションや映画の歴史をも物語ってくれます。
海外ではこの「スコアボード」、「バックグラス」を集めている愛好家もいるほどです。

残念ながら、この写真集に用いられている写真がすべてカラーというわけではなく、モノクロームの写真のほうが多く、ピンボール・マシンの持つ華やかさを伝え切れていません。

日本では2011年11月18日のblogに書いた「ピンボール・グラフィティ」以外に良質なピンボール・マシンに関する書物はありません。
海外では様々な視点から捉えたピンボール・マシンに関する書物が存在します。
ここには「文化の違い」とひとくくりにすることができない複雑な事情があると、僕は思っています。

日本におけるピンボール・マシンの衰退。
その大きな理由はピンボール・マシンが1台120kg前後の重量があったことと、子どもを扱うより、あるいは恋人を扱うより厄介なほど手がかかったからです。

また、それぞれのマシン専用のメンテナンス・ブックがあるのだけれど、電気系統の故障は頻繁に起こるし、配線は複雑な上に、部品は劣化する。部品の調達手段や電気系統に関する技術、ソフトウェアで制御されないアナログな部品を調整する気力がなければ、ピンボール・マシンを維持していくことはできないのです。

しかし、後にピンボール・マシンはパーソナル・コンピューターの中で「ピンボール・ゲーム」としてリアルに再現される時代がやってくるのですが、そこにはもはや「ピンボール・マシン」というリアルな物体は存在することなく、リアルに再構築された別の世界が存在するのです。

カテゴリー
音楽

活動終了宣言をしたハードロック・バンド「Scorpions」

活動終了宣言をしたハードロック・バンド「Scorpions」
活動終了宣言をし、「Sting In The Tail」を2011年3月にリリースして、その最後のアルバムのためにツアー中の「Scorpions」が「Comeblack」をリリースしました。2011年11月のことです。

活動終了宣言をした「Scorpions」のニュー・アルバム?
しかもアルバムのタイトルは「Comeback」だって?
おやっ、よく見ると「Scorpions」のアルバムだけれど、アルバム・タイトル「Comeblack」でした。

僕は熱心な「Scorpions」という活動歴のかなり長いバンドのファンではないので、詳しいことはほとんど知らないし、何枚かのCDを聴いたのだけれど、1988年に発売された「Savage Amusement」以外のアルバムを僕は好きになれませんでした。

この「Comeblack」は自らの曲を再レコーディングし、更に彼らが影響を受けたロックの名曲のカヴァーを収録したアルバムです。
僕の好きなアルバム「Savage Amusement」に収録されていた「Rhythm of Love」と1982年に発売された「Blackout」に収録されていた「No One Like You」の2曲のセルフ・カヴァーが収録されているという理由だけで、「Comeblack」の輸入盤を購入してしまいました。

「Comeblack」というタイトルは「Comeback」を意識したのかな?

カテゴリー
マッチ箱/マッチラベル モノ

川西英/神戸百景「港俯瞰」と「背山眺望」


川西英/神戸百景「港俯瞰」と「背山眺望」/港俯瞰

川西英/神戸百景「港俯瞰」と「背山眺望」/背山眺望

2011年12月11日のblogと2011年12月15日のblogでリンクの許可を頂いた「桃太郎」さん(“「神戸百景」を歩く”というblogにて「神戸が生んだ木版画家・川西英さんの足跡をたどる旅」を掲載中)から、三宮センター街には、川西英の絵や彼の三男である川西祐三郎の絵もあるので、探してみるのも面白いと思う、というコメントを頂いたので、探しました。

「探す」という行為はこの神戸百景「港俯瞰」と「背山眺望」に関していえば相応しくありません。
神戸に住んで、元町-三宮間は必ず歩く僕には「探す」必要もなく、それは自然と目に入っており、記憶に残っているからです。
ただ、それがいったい何であるのかを理解していなかっただけのことなのです。
そういうことって、多いですよね。

神戸は来年2012年のNHK大河ドラマ「平清盛」放送に向けて、平清盛ゆかりの地として盛り上げようとしています。

僕は「神戸を盛り上げる」こと自体には異議はないのですが、短期的な盛り上げにしかつながらないような事業に少しばかり不安を感じるのです。
神戸、大きく考えると兵庫県には「映画発祥の地」としての施設、地場産業としての「湯たんぽ」、「燐寸工場」、「靴」、「鞄」、「皮革」、「刃物」、それほど知名度の高くない(あるいは埋もれた)芸術家や作家の残した作品やモノ、歴史的建造物などが多々あるわけです(他にもたくさんあります…)。

そういうモノをもっと長期的な視野で盛り上げて欲しいのだけれど、これは僕の勝手な意見かな?

* blog内、全て敬称略です。